この記事では、マイティボーイの点火時期調整の方法について説明します。他のF5Aキャブ車両でも大きな違いはないと思いますので、参考にしてください。
規定値や調整値はそれぞれの車両の取扱説明書や整備書から正しい数値を使用してください。
点火時期調整作業手順
作業手順は下記になります。詳しくは下のほうで説明します。
- クルマを十分に暖気させる
- 負圧による進角装置をキャンセルする
- 点検口カバーを開ける
- タイミングライトを接続する
- エンジンをかけ、アイドリング回転数を規定値に合わせる
- タイミングライトでフライホイールの値を読む
- 規定値とずれていれば調整する
- エンジンを停止させる
- デスビの調整ボルトを弛め、角度を修正する
- エンジンをかけ、再度確認する
- まだずれていれば再調整する
- 規定値になれば調整ボルトを増し締めする
- 進角装置のキャンセルを復旧し、点検口カバーをする
クルマを十分に暖気させる
クルマを十分に暖気させます。目安としてラジエータの冷却ファンが1回回るまでは温めてください。しばらく運転した後でもよいです。
暖気後、エンジンを停止させます。
負圧による進角装置をキャンセルする
マイティボーイには負圧による進角装置がついています。調整はアイドリングでしますので通常の状態では進角してしまっています。その為、進角装置をキャンセルします。
キャンセルはデスビについているダイヤフラムのホースを抜き、抜いたホースに栓をしておきます。栓をしないとインマニから2次エアが入りエンジンがかかりません。ダイヤフラム側はそのままでOKです。
点検口カバーを開ける
フライホイールの目盛りを読むための点検口があります。その点検口にはカバーがついていますので、外してください。マイティボーイの点検口はここにあります。
タイミングライトを接続する
タイミングライトを接続します。
接続箇所
- 赤クリップ:バッテリープラス端子
- 黒クリップ:バッテリーマイナス端子
- クランプ:1番シリンダーのプラグコードに挟み込む
エンジン始動時にコードがベルトやファンに巻き込まれないか確認します。
エンジンをかけ、アイドリング回転数を規定値に合わせる
エンジンをかけ、タコメーターでエンジン回転数を確認します。
規定値内に入っていればOKです。
タイミングライトでフライホイールの値を読む
タイミングライトのトリガーを握り、光が点滅することを確認します。その光を点検口の中にあてて、刻んである数値を読みます。
光が出ていない場合は、クリップの接続確認をしてください。光が出るけど、数値が浮かび上がってこないという場合は、クランプしているプラグコードが間違っている可能性があります。
自分の型のマイティボーイは圧縮上死点前10度±1度です。
規定値とずれていれば調整する
調整方法は下記のとおりです。
- エンジンを停止させる
- デスビの調整ボルトを弛め、角度を修正する
- エンジンをかけ、再度確認する
- まだずれていれば再調整する
- 規定値になれば調整ボルトを増し締めする
調整ボルトを弛めて、デスビ本体を時計回りに回すと点火時期が遅れるので数値は減ります。
反時計回りに回すと点火時期が早くなり数値は増えます。
進角装置のキャンセルを復旧し、点検口カバーをする
外したホースを復旧して、点検口のカバーをしてください。
エンジンルーム内の工具の置き忘れがなか確認して、試乗します。
さいごに
これで点火時期調整は完了です。ズレを調整することにより、エンジンのスムーズさやふけ上がりの改善がみられると思います。
お疲れさまでした。
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