この記事ではクルマのバッテリーが上がってしまい、エンジンがかからなくなってしまったときのブースターケーブルを使用した救援方法を紹介します。
バッテリーが上がってしまった!とりあえずブースターケーブルはあるけどつなぎ方がわからないよ、という方や、冬に備えて事前にブースターケーブルのつなぎ方を覚えておこう、という方向けにわかりやすく説明します。
バッテリーが上がってしまった場合、下記の3種類の対処方法があります。
- ほかの車からブースターケーブルを使って電気を供給する
- モバイルバッテリー(ジャンピングスターター)を使って電気を供給する
- ロードサービスを依頼する
今回はほかの車からブースターケーブルを使って電気を供給する方法を詳しく説明します。
ほかの車からブースターケーブルを使って電気を供給する
この方法は、故障車両以外のクルマ(救援車両)とブースターケーブルが必要です。また、ある程度の知識が必要なので、不安な人は事前に自分の車で確認しておきましょう。
作業手順は下記になります。注意点や重要ポイントやうまくいかなかった場合の対処方法は下のほうで詳しく説明します。
- ブースターケーブルを用意する
- 救援車両をバッテリー上がり車両の近くに移動させる
- 救援車両、故障車両のエアコン、ヘッドライト、不要な電装品のスイッチを切る
- ブースターケーブル接続
- 赤色クリップを故障車両のプラス端子に接続
- もう一方の赤色クリップを救援車両のプラス端子に接続
- 黒色クリップを救援車両のマイナス端子に接続
- もう一方の黒色クリップを故障車両のエンジン金属部分(なければバッテリーマイナス端子)に接続
- 救援車両のエンジンをかける
- 故障車両のエンジンをかける
- ブースターケーブルを接続したときと逆の手順で取り外す
- 故障車両は30分ほどエンジンをかけておく
- 復旧片付け
ブースターケーブルを用意する
事前にブースターケーブルを車載しておきましょう。ブースターケーブルはクルマの大きさによって種類があります。大きい車ほどセルモーターを回すのに大きな電力が必要なので太い(容量が大きい)ケーブルが必要になります。また、バッテリーの搭載位置によって必要なケーブルの長さが変わってきます。救援車両が近くに寄せれない場合もありますので、長めのもの(5mほど)を用意しておくと間違いないです。
容量 | 対象車両 |
---|---|
50A | 軽自動車から小型車 |
80A | 軽自動車から普通車 |
120A | 軽自動車から大型トラックまで |
救援車両をバッテリー上がり車両の近くに移動させる
まずボンネットを開けてバッテリーの位置を確認してください。それぞれのバッテリーの位置がわかったらブースターケーブルの届く位置まで救援車両を移動します。
移動の際には周囲をよく確認して安全な位置に止めてください。
救援車両、故障車両のエアコン、ヘッドライト、不要な電装品のスイッチを切る
両方の車両のエアコンがOFFになっているか、ヘッドライトがついていないか、不要な電装品が動いていないかを確認してください。意外とスマホの充電は電力消費が大きいです。
これは、故障車両のセルモーターを回すために必要な電力をなるべく確保するために行います。
ブースターケーブル接続
この作業が一番重要かつ注意しなければいけないポイントですので、よく確認してください。
まず、救援車両のエンジンを切って下さい。また、故障車両もキーOFFであることを確認してください。そして下記の手順でケーブルを接続します。その際につながないほうのクリップはほかのクリップや車両の金属部分に触れないようにしてください。ショートして火花が飛ぶ恐れがあります。
- 赤色クリップを故障車両のプラス端子に接続
- もう一方の赤色クリップを救援車両のプラス端子に接続
- 黒色クリップを救援車両のマイナス端子に接続
- もう一方の黒色クリップを故障車両のエンジン金属部分(なければバッテリーマイナス端子)に接続
間違えて救援車両のプラスマイナスと故障車両のプラスマイナスをクロスして接続してしまうと両方の車両が壊れる可能性があります。赤はプラス同士、黒はマイナス同士と覚えておきましょう。
「4」のクリップを接続する際に一瞬火花が飛びますが、正常に接続されて通電した状態ですので問題ありません。故障車両のキーをONにしっぱなしだと、流れる電流が増え火花が大きくなりますので注意ください。
つないだ後、ケーブルがエンジンルームの中のベルトはファンなどに接触していないか確認してください。エンジンをかけた際に巻き込まれる恐れがあります。
救援車両のエンジンをかける
まず、救援車両のエンジンをかけます。エンジンをかけた後、振動でクリップが外れていないか、ケーブルが巻き込まれそうになっていないか確認してください。
故障車両のエンジンをかける
いよいよ故障車両のエンジンをかけます。
順調にエンジンがかかった場合は次の手順へ行きます。
かからなかった場合は以下をチェックしてください
- まったくセルモーターが回らない場合(メーターなどの電気もつかない)
- →ケーブルクリップが外れている
- →接続が間違えている
- →ヒューズが飛んでいるなど別のトラブル
- ちょっとはセルモーターが回るが力がない場合
- →救援車両のエンジン回転数を上げながら(軽くアクセルを踏んでおく)、故障車両のセルを回す
- →救援車両のエンジンをかけてから10分ほど放置して故障車両のバッテリーを充電させる
- →クリップをしっかりくわえ直す
セルモーターを回す際は長くても1回あたり10秒程度にしてください。救援車両のバッテリー、故障車両のセルモーター、ブースターケーブルの負荷が大きくなります。
これでもかからない場合は、救援車両の電力不足、バッテリーが完全に死んでいる、ほかのトラブル等の可能性がありますので、ロードサービスを呼ぶことをお勧めします。
ブースターケーブルを接続したときと逆の手順で取り外す
無事エンジンがかかったら、救援車両のエンジンを切り(故障車両のエンジンはかけたまま)ブースターケーブルを外します。この際、エンジンのベルトなどに手や服が巻き込まれないように注意してください。マフラー等は外しましょう。
また、外す際は接続したときと逆の手順で取り外してください。クリップをほかの箇所に接触させないようにしてください。
故障車両は30分ほどエンジンをかけておく
故障車両はバッテリー充電のため30分程度エンジンをかけておきます。走行するほうが充電されますが、マニュアル車だともしエンストすると、電力不足でセルが回らず立ち往生する恐れがありますので非常に緊張感があります。注意してください。
復旧片付け
最後は外したカバーを取り付け、片付けをします。エンジンのかかった安心感や時間が押しての焦りから、カバーのつけ忘れや工具の置忘れをしがちです。エンジンルームの中を確認してボンネットを閉めてください。
さいごに
バッテリー上がりはヘッドライト室内灯の消し忘れ、バッテリーが弱っているなどの原因があります。寒くなると特にバッテリーが弱ります。普段あまり乗らないクルマでスキーに行くときは要注意です。朝はよかったけど、帰りは非常に気温が低くなり、エンジンがかからないというトラブルがあります。
トラブルに備え、バッテリーの点検交換やブースターケーブルの準備を忘れないようにしましょう。
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